David Warren

Ambassador to Japan

FCO Logo
月曜日 02 3月, 2009

英国の外務担当大臣及び保健大臣が訪日

今週の大きな経済ニュースといえば、1月の日本の輸出額が昨年比で46%減少したことです。大手企業は、従業員のレイオフや、生産の削減(R&Dを除く)を実施し、全般的に長く、困難な道程を歩んでいます。

でも、このことがすべてに当てはまるという訳ではありません。このほど、アラン・ジョンソン英国保健大臣が4日間にわたり日本に滞在しました。今回の訪日には、保健省及び英国産業(英国立医療技術評価機構の代表も含め)からハイレベルな代表団が同行して、日本の製薬企業と面談しました。こうした日本企業は、主要対英投資企業であり、研究、販売、製造に携わり、何百人もの従業員を雇用しています。英国のチームは、新たなNHS(国民健康保険制度)の枠組みに関する詳細なプレゼンテーションを行い、費用効果の高い治療の開発においてイノベーションがいかに重要になるかを強調すると同時に、企業のための新価格制度について説明しました。日本企業は、熱心に耳を傾け、質問し、新薬の承認に要する期間についてなど、諸問題を提起しました。私は、製薬部門が、他の分野に比べて景気後退の影響をそれ程受けていないのではないかという印象を受けました。事実、数社が、ある時点での投資拡大に関心を持っているようでした。日本で最大手の製薬会社の一つ、エーザイ(株)は、6月、ハットフィールドに「ナレッジ・センター」を新たに開設する予定です。

この他の私達の仕事としては、当面、そのほとんどが経済危機への取り組みが中心となり、特に、4月2日に主要経済国が参加して開催されるロンドン・サミットが焦点となります。英国外務省のマーク・マロック・ブラウン大臣が2月19日に訪日し、麻生首相、中曽根外務大臣と会談したほか、メディアとも会見しました。マロック・ブラウン大臣は、この規模のグローバルな経済危機に対しては国際的な協調行動が必要であること、また、昔の保護主義の悪しき時代に戻ってはならず、しかも、今回の危機の原因に責任を負わない最貧国が危機で苦しまないように努力する必要性を強調しました。日本側は、こうした全ての点に同意しました。日本は、支援を必要とする国々への貸し出しを容易にするため、IMFに1000憶ドルの資金を提供し、特に、アジアとアフリカへの支援に力を注いでいます。日本は、他の国々同様、内需の刺激策を見つけ出さなければなりませんが、日本の指導力に求められる最も重要な役割は、グローバルな需要の促進であると思われます。

マロック・ブラウン大臣に対する外国人記者クラブでの質問の中には、世界の経済状況というよりも、酩酊状態にあったと言われた後に辞任に追い込まれた日本の財務大臣に関するものが多くありましたが、それは仕方がないことなのかもしれません。

  • Share this with:
木曜日 19 2月, 2009

日本との緊密な関係の構築

私はFCOブロガーの仲間入りができることを、嬉しく思っています。世界第二位の経済大国である日本と、より緊密な関係を築くために私たちが日本で行なっていることについて、英語と日本語で報告やコメントを寄せていく予定です。

今週は、科学技術に焦点をあてましょう。英国政府のジョン・ベディントン主席科学技術顧問が、英国研究会議の大規模なチームと一緒に日本を訪問しています。東京、大阪、京都で科学者と会ったり、科学施設を訪れました。また、日本政府と会談し、進められている協力体制を検討したり、新たな協力分野の確認などを行ないました。

もちろん、気候変動と天然資源管理は英国政府にとって最優先事項です。ベディントン氏は天然資源管理の専門家であり、2月12日には大使館において、世界が直面している課題について力強いスピーチを行ないました。90億人にまで増える人口のニーズに応えるため、私たちは50%増の食糧、50%増のエネルギー資源、30%増の水を2050年までに必要としています。この人口の伸びは、2年ごとに日本と同じ規模の国が追加されていくことに相当します。日本のジャーナリスト、科学者、国会議員の皆さんは、スピーチに熱心に耳を傾け、いくつかの鋭い質問をしました。遺伝子組み換え作物を公に受け入れられるのか?人口制限についてはどうか?日本の公開ミーティングは、フォーマルで落ち着いた雰囲気の中で進められるのが一般的ですが、今回の質疑応答は違っていました。口調は友好的なものでしたが、問題点を深く捉えた質問が行なわれました。それに先立って、大使館で行なわれたサイエンス・メディア・カフェにおいて、ベディントン大臣は数多くの科学編集者やジャーナリストと会いましたが、それがその後の質疑応答に役立ちました。

日本は世界の人口の約2%を占めているにすぎませんが、研究開発への投資では世界の約25%を占めています。日本が深刻な影響を受けている世界的な経済不況の中、このような投資に対する優先性が減るような形跡は見当たりません。英国の科学者やエンジニアがこの活動の一部となるのをいかに支援するかが、私たちにとって大きな課題になっています。

一方、同じ日に、日立製作所が率いるアジリティ・コンソーシアムが、英国の長距離高速鉄道の受注に向けた優先交渉権を得たというニュースが発表されました。これは日本からの重要な新規の対英投資となるでしょう。高速鉄道は長距離化や軽量化が進み、ますます環境に優しいものとなり、バイモード(ディーゼルと電気)で運行するものも登場するでしょう。しかし、私は翌日に英国側から出された否定的な意見に唖然としました。英国における雇用が創出・保護されるのにもかかわらず、このプロジェクトに日本が関与していることが非愛国的だという意識があるのです。実際には、日立製作所は過去30年、またはそれ以前から多大な英国投資を行なってきた1400社を超える日本企業のうちの一社であり、日英間で伸びてきた産業界やビジネス界の緊密なつながりは、真のサクセス・ストーリーとなっているのです。経済危機の脅威の時に、保護主義的な感情に力を与えてはならないのです。英国は毎年80億ポンドにのぼる商品やサービスを日本向けに販売しているということを忘れてはいけません。貿易投資のつながりは、誰もが勝者になるものでなのです。

  • Share this with: