David Warren

Ambassador to Japan

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月曜日 26 10月, 2009

国際的児童奪取

今月、私は、千葉新法務大臣と、7カ国の駐日大使館(米国、フランス、イタリア、カナダなど)の間で行われた合同会議に参加しました。

私たちは、日本政府に対し、子の奪取に関するハーグ条約を批准するよう求めました。日本は、G7主要先進諸国中、唯一、条約を批准していません。ハーグ条約は、国籍が異なる両親の間で親権をめぐり意見が対立していて、一方の親が他方の希望に反して、子供達を連れて母国に帰国してしまったケースなどに法的な枠組みを提供します。現在、英国は、親権が対立する事例で日本が関係するケースを37件抱えていますが、今後も、件数が増えるのではないかと懸念しています。ハーグ条約に署名することは、少なくとも、親権に関して、子供にとって最善の取り決めを決定する裁判所がある通常の居住国に子供を帰すなど、こうしたケースに対応する手続きでの合意を意味します。

大臣は、新政権がこの問題を検討しており、適当な時期に決断が下されると述べました。日本でも、最近注目されたアメリカの事例など、この問題に関する議論が増していますが、英国の議会でも、最近、幾つかの質問が行われました。私は、大臣との会議において、出席した代表者の国々同様、日本が国連児童の権利に関する条約に署名していることを指摘しました。私たちは、日本政府が、この分野での日本の孤立を早期に終えるべきであるという結論に達することを願っています。また、ハーグ条約に署名した国々において、条約がどのように機能しているか、また、親権に関する問題が生じた場合に、全条約加盟国の国民がどのように保護されるかについて、日本の専門家の方々に理解して頂くお手伝いができるよう日本と協力して行きたいと考えています。

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木曜日 15 10月, 2009

気候変動

Blog Action Day 2009

私たちは、12月にコペンハーゲンで行なわれるCOP15における包括的な合意の一環として、2020年までに25%の削減を図るという日本政府の目標を歓迎しています。この問題は、日本のビジネス界では、依然として一部で論議の的となっています。先週、英国のビジネス・イノベーション大臣であるマンデルソン卿が東京を訪れ、「高炭素の将来はなく、低炭素環境に早く移行した企業ほど優位に立つことができる」という強力なメッセージを日本の産業界に送りました。このメッセージが理解され始めていると私は感じていますが、私たちは私たち自身のコンタクト先にさらなる勢いをつけるため尽力しています。

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火曜日 06 10月, 2009

有意義だった秋田への旅

9月中旬、私は北日本の秋田を訪れ、国際教養大学の学生を前にして、講演を行なってきました。この大学は規模はそれほど大きくありませんが、非常に質の高い教育機関です。キャンパスで話されている言語は英語であり、すべての学生は一年間にわたって海外留学します。(卒業に必要な単位の約1/4はこうして取得します。)この大学が交換留学を行なっている世界の有名大学は数多くあります。英国の10大学も含まれています。(それらの中で現時点で最も人数が多いのはリーズ大学です。)

国際教養大学は各国の駐日大使を招待し、「変わりつつある世界における日本の役割」に関する講演を開催しています。私はその一番手として、主に気候変動に関して話をさせていただきました。その全文はこちらでお読みになれます。鳩山新首相は2020年までに排出を25%削減するという新たな中期目標を約束しましたが、私たちはこれを心から歓迎します。先週、鳩山首相は国連総会に出席し、この重要なメッセージを伝えました。

大学では活発な質疑応答が行なわれました。一人の方は次のような質問をしました。「地方の美しい環境にある秋田(まさに、そうです。)に来て、こうした話をするのは何故ですか?私はロンドンを訪れる度に、秋田とは正反対の環境を目の当たりにします。」(この質問に上手に対応できたのであれば良いのですが。)一方、「目標が達成可能なものであるというメッセージを日本企業に広く伝える上で、英国の産業界が力になれる道はあるでしょうか?」という質問も受けました。確かに、人々は新しい政策がどのような経済的な影響を及ぼすかということについて懸念しています。しかし、現実に、日本はこれを達成できる技術を持っています。そして、達成することは、再び経済が動き出す上で助けとなるでしょう。

学生たちだけでなく、翌日に秋田の知事と市長にお会いした際にも、私は農業自給が力説されていることに強い関心を持ちました。日本の低い自給率(約40%)は心配であり、特に秋田のような地方においてはそれが顕著です。状況が異なる英国にくらべて、その心配度ははるかに高いものとなっています。日本の米価は世界市場と比較して、依然としてかなり高いのです。途上国の農民たちが収支を合わせるのに苦労している時に、食糧価格を助成することが誤りであるという非常に強い意識が欧州にあります。英国では、この問題は食糧安全保障の一つであると考えられています。全くの国内生産ではなく、多様な供給源とオープン・トレード関係を通じて確保するということです。

国際教養大学で学んでいる英国人学生や、JETスキームの下で勤務している若い英国人教師などとも会い、未知でエキサイティングな環境に腰を据えている彼らの熱意とエネルギーに刺激を受けることができたのは最高でした。

 

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金曜日 18 9月, 2009

国際パラリンピック委員会の会長との会談

先週, 私は2001年から国際パラリンピック委員会(IPC)の会長を務めているサー・フィリップ・クレイヴァン氏と会談いたしました。車イス・バスケットボールと競泳で、5回もパラリンピックに出場したことがあるクレイヴァン会長は、国際オリンピック委員会(IOC)の委員と、ロンドン2012組織委員会の役員も務めています。 このたび, クレイヴァン会長は40ヶ国から700人の選手が参加した「東京2009アジアユースパラゲームズ」のために東京を訪れました。私たちは、ここ数年間で日本が障害者スポーツの分野で如何に大きく進展しているかということについて話し合いました。私はこれまでにもブログの中で障害者の方々との交流に関して触れたことがあります。私が覚えている1020年前にくらべて、日本におけるスポーツ体験の多様化の意識は非常に高まっています。言うまでもなく、東京が最終選考4都市の中に残っている、2016年のオリンピックとパラリンピックの開催都市が発表される102日に向けて、今後2週間の日本における注目と関心が集まることでしょう。

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火曜日 08 9月, 2009

鳩山代表の温室効果ガス排出量削減目標について

12月にコペンハーゲンで開かれるCOP15の、京都議定書に代わる枠組み交渉において、温室効果ガスの排出を2020年までに1990年比で25%削減するというマニフェストの公約を民主党政権が目指すと、朝日新聞社が主催した「朝日地球環境フォーラム2009」で鳩山由紀夫代表が明言しました。

これは先進国と途上国が貢献する総合的な取決めの一環となるべきものですが、喜ばしいニュースであり、日本政府に対して今年私たちが促してきた大いなる野心の証しとなるものです。そして、日本がこの協議においてリーダーシップを示すべきであるという新政府の希望でもあります。実際に、鳩山氏は"新たな鳩山イニシアチブ"と明確に呼んでいました。

朝日地球環境フォーラム2009でスピーチするウォレン大使夜に催されたレセプションでの話題は、もっぱらこの公約についてでした。数多くの政財界の方々と共に、デンマーク大使と私もスピーチをさせていただきました。約10人がスピーチをした中で私は8番目でしたが、これは話をする側にとっても、聞く側にとってもキツイことでした。ですから、私はできるだけ話を簡潔にするように努めました。コペンハーゲンでの会議まで、残された時間は少しです。今後10年のうちに世界の排出量がピークを迎えるようにして、世界の気温上昇を2℃以内に抑えるためには、私たちは目標を下げることはできません。そして、グリーン・ニュー・ディールへの投資は、経済の成長に役立つものであり、決して日本の一部の産業が懸念しているような"経済を縮小させるもの"ではないのです。

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金曜日 04 9月, 2009

名古屋への旅

今週は対英投資を行なっている主要な企業3社を訪問しに、名古屋に行ってきました。

まず、世界最大の工作機械メーカーであるヤマザキマザックを訪問しました。今年で創業90年を迎えるそうです。1919年につくられた初めての製品は、畳を作る機械でした。現在、ショールームには人工股関節から航空エンジン・タービン・ブレードまで、同社の工作機械を使ってつくられた非常に幅広い製品群が飾られています。同社は1987年から英国のウスターに工場を構えていて、500人を雇用しています。これまでに英女王賞を2回受賞し、11月にはウスターに欧州技術センターをオープンすることになっています。

次に、トヨタ自動車グループの傘下にあるデンソーを訪れました。デンソーは、世界有数の自動車用電子・電気部品メーカーであり、英国のテルフォードを中心として、ウェスト・ミッドランズにある3ヶ所の拠点で約2000人を雇用しています。同社は150社以上のサプライヤーと共に英国のサプライ・チェーンをサポートしています。今回の訪問では、細部まで非常に正確な実践的習得と技能訓練アプローチの見学に長い時間をかけました。同社は過去30年以上にわたって、技能五輪国際大会で100人を超える金賞受賞者を輩出しています。「人を40年間雇用するならば、そのうちの3年間をトレーニングに投資することは価値があります。それによって従業員は求められる最高レベルの技術で働くことができるからです。」というお話を伺いました。私が見た生産ラインでは、100の小さな自動工程によって、ダッシュボードの速度計の針を動かすモーターがつくられていました。このモーターが一ヶ月に約3百万個つくられています。

そして最後に、トヨタ自動車の堤工場でプリウスが生産ラインから出てくるところを見学しました。【Flickrで写真を見る】 この工場では6000人の従業員と1000台のロボットが働いています。生産ラインをゆっくりと流れてくる車体を、6台のロボットが同時に美しい機械のバレエのように、精巧に溶接するところは非常に印象的でした。どこを見ても、環境がテーマになっています。最終組立工場に必要な動力の半分は、屋根のソーラーパネルを利用しています。

「製造業はもうだめだ」という考えは、月並みなものであり、間違っています。今回の旅でお会いした年配の方々は、自分たちが持っていたモノづくりへの愛着を若い世代が持っていないと嘆いていました。しかし、私は最新の工程と最高水準の品質管理という印象を抱いて帰ってきました。日本の産業力は、ここ近年の英国産業基盤の強化にとって大きな助けとなっており、世界第6位の製造大国という地位を維持しています。英国にとって、今夏のビッグニュースは、トヨタが英国ダービーシャーでハイブリッド車をつくると決めたこと、そして日産が英国サンダーランドで電気自動車のバッテリーをつくると決めたことです。こうした関係にお力添えができるのは、とても刺激的で、満足のいく仕事です。

 

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火曜日 01 9月, 2009

画期的な選挙結果

このたびの衆院選の結果は、まさに画期的と表現できるものでした。

自民党は一時期を除いて過去54年間にわたり政権の座にあり、これまで選挙で敗れるという脅威を本気で感じたことがありませんでした。その自民党に対して野党の民主党が決定的な勝利をおさめたのです。投票率(約70%)、勝利の規模(これまで衆議院で300議席以上を獲得した政党はありませんでした)、女性議員の数(54名:ヨーロッパの水準から見るとまだまだ低いのですが)など、数々の記録が一夜にして破られました。

どのように国を治めていくか、特に政府組織の変更にどのように取組んでいくかなど、民主党政権が体制を整えていく段階に移っていこうとしています。政治家と強力な官僚との関係を改革する負託をうけて、民主党は政権に就きました。選挙後は世界中がそうであるように、行なう必要があると言っていたことを、実際に民主党がどのように行動に移すかを、すべての人々が注視するでしょう。

しかし、これが本当に日本の戦後政治の重要な転機であるというのが大多数の意見です。つまり、有権者の懸念に疎いと考えられていた古い政治システムの排除と、変化を求めたということです。たとえ、どのような変化を本当に見たいと思っているのかという点に関して、国民の間で必ずしも合意がないとしても。

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火曜日 16 6月, 2009

排出量を削減するには、 さらに野心的な目標が必要

先週、麻生首相は温室効果ガスの排出を、2020年までに1990年比で8%削減するという日本の中期目標を発表しました。この目標は2005年比にすると15%の削減になり、幾分良い数値のように見えますが国際社会の反応は批判的です。なぜなら、京都議定書後の枠組みに関して合意しなければならない今年12月のコペンハーゲンでの会合に向けて、日本がより野心的な計画を打ち出してくると多くの人々が期待していたからです。英国は、1900年比で34%、2005年比でおよそ22%の削減というかなり厳しい中期目標を設定しています。

麻生首相の発表は、中期目標委員会の何ヶ月にもわたる作業を経て、行なわれました。委員会は1990年比で排出増にするものから25%の削減を図るものまで、6つの選択肢を検討しました。新しい枠組みをつくる国際交渉に貢献しなければならないけれども、経済的に困難な時期に家庭への追加負担を課したくはないとも考える日本の政府が導き出した結論は、確かに、歩み寄りを図ったものです。しかしながら、スターン卿が2006年に発表した気候変動の経済学にも書かれているように、今、気候変動への対策を取らないコストは、対策を講じるコストよりも大きなものになるのです。また、日本の中期目標は日本国内での実質的な排出削減によるもので、国際炭素市場や、(日本の産業界があまり乗り気ではない)排出量取引の利用については、まだ何も述べていません。

低炭素経済は真のビジネス・チャンスとなり得ます。そして、日本の技術は最先端を行くものであり、その省エネ実績は本当にすばらしいものです。そのような日本が、もっと野心的で、短期的なコストよりも長期的な利益に焦点をあてた目標を設定することを私たちは望んでいます。今週後半に、英国金融サービス機構の会長であり、気候変動委員会の委員長も務めているターナー卿が日本を訪問し、金融規制や環境政策の次なるステップについて、日本政府の関係者などと会談することになっています。今回の訪日は、このメッセージを広く伝える重要な機会となると確信しています。

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月曜日 01 6月, 2009

ビルマ

英国政府は、キャンペーン・グループの連合体が、過去19年間のうち13年間、自宅軟禁下に置かれてきたビルマの民主化運動指導者、アウン・サン・スー・チー氏の解放を求め、ビルマ政権に圧力をかける目的で立ち上げたウェブサイト(www.64forSuu.org)を支持しています。

スー・チー氏は、今週、自宅軟禁から解放されるはずでしたが、軟禁の条件に違反したとしてラングーンで裁判にかけられ、軟禁を更に5年間延長される事態に直面しています。この度、開設されたウェブサイトでは、政治家、著名人の方々、一般の皆様からの短い支援メッセージの投稿を呼びかけています。 私もメッセージを寄せました。このブログを読んでおられる多くの皆様も投稿して下さることを願っています。スー・チー氏の軟禁が継続することは、人権の基本的な侵害であり、彼女の解放が実現するよう、私たちはあらゆる努力をしなければなりません。

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火曜日 26 5月, 2009

新しいビザ・システム

私たちはこのほど、英国のビサ発給の新たなシステムを日本に導入しました。しかし、私たちが期待していたほど、事態は順調に推移していません。

英国ビサ申請のための新しいポイント・ベース・システムは、理論的には、手続きをもっと迅速かつシンプルにするものです。英国を短期訪問される日本人の方々のほとんどは、ビサを必要としません。ビザが必要になるのは、主にTier 2(社内異動を含むCertificate of Sponsorshipが必要なSkilled Worker)とTier 4(学生)です。私どもがビザ申請の受付業務を委託している民間機関VFS Globaのウェブサイトには、提出が必要となる書類について掲載されています。無理もないことですが、おそらく、新しい手続きの当初の段階では、すべての人が正しい書類を提示するわけではなく、これが遅延を意味します。

以前は東京の大使館でビザを発給していましたが、一月からこの業務がマニラの英国大使館に移管されました。”ハブ&スポーク”というこのシステムは、東アジアにあるその他の英国大使館にも適用されます。つまり、ビザ申請書と必要書類はマニラへ送られ、審査終了後、書類が戻ってくることになります。手続きはまったく安全なものです。しかし、新しいシステムは定着するまでに若干の時間がかかり、マニラの優秀なスタッフによる最善の努力にもかかわらず、以前よりもビザの発給に長い時間がかかっております。私たちはマニラのスタッフや、本件を管轄しているロンドンの英国国境局の支援を得ながら、この問題に取り組んでおり、手続きのスピードアップが図られています。しかし、この間にも予想以上のご不満を頂戴しております。

私のブログで、本件についてお話しするのには、二つの理由があります。英国に行くことを計画している日本人の方々は、ビサの申請にどのようなものが求められるのかを知りたいと思い、ビザ申請センターに正しい書類を提出するようにしたいとお考えになるでしょう。また、ブログは順調に行われているものも、順調ではないものについても、お伝えすべきであると私は考えています。英国の国境を守るのは重要なことです。しかし、日本の投資家や旅行者の方々にとって、英国を友好的で支えとなるような環境に維持することも大切です。私たちはそうしようと強い決意を持っております。

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金曜日 22 5月, 2009

青い空がほしい

福岡県滞在中に、私は環境面で興味深い歴史を持っている北九州市を訪問しました。1950年代から1960年代にかけて、同市は汚染がかなり進行していました。この地域は何世紀にもわたって交通の要衝であり、中国からの鉄や石炭は、鉄鋼、陶器、セメントなど大規模な重工業の発展に寄与しました。しかし、これによって入江やその周辺環境は、有毒化学物質の溜まり場になってしまいました。地元の鉄鋼所で働いていた男性の奥さんたちを主なメンバーとする女性団体が中心となり、強力な環境運動によって幅広い浄化が成し遂げられ、1990年代までに同市は魅力的でエコにやさしい、環境・代替エネルギー研究の中心地に生まれ変わったのです。当時のスローガンは「子供たちのために、青い空がほしい」というものでした。

工業跡地に建てられた印象的な博物館が、その歴史を伝えています。北九州市の女性が撮影した1960年代のホーム・ムービーは、小さな長屋の中に煤煙や粉塵が吹き込み続ける様子、真っ黒になった障子、洗濯したシーツを干しているところなどが記録されていて、とても興味深いものです。そして北九州市には、1980年代後半に設立された、日本唯一の独立した(当初は政府助成金を受けていました)、アジア女性問題に関する研究フォーラムがあります。

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変化に関するメッセージを理解してもらうために

私は福岡県を訪問し、地元の日英協会において「現在の英国」について講演を行なってきました。日本人の中には、英国について非常に古風なイメージをお持ちの方がいらっしゃると思います。英国への留学経験者は、英国の伝統に愛着を持っていらっしゃる方が多く、英国というとヴィクトリア女王時代やエドワード王時代の「英国紳士」という昔ながらの概念があります。それは英国に対する深い愛情と尊敬の念からきているものですが、英国の変化の推移について説明するのが私の仕事の一部なのです。それは英国がどのように多様化し、形式ばらず、階級にとらわれない社会になってきたのか、政府の構造が権限委譲でどのように変わったのか、王室の役割が過去50年間で如何に変化してきたのかということです。

日本は移民が少なく、ロンドンっ子の40%が英国外で生まれているという統計の引用は、大きな衝撃を与えるものです。少子化と高齢化という長期的な人口学傾向を考慮し、移民の少ないレベルの維持に関する公開討論が始まっています。申し上げますが、私の祖父母は100年以上前にロシアから英国へやってきた移民なのです。

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水曜日 20 5月, 2009

排出削減目標への期待

気候変動は現在の、そしておそらく常に、大きな問題であると思います。私たちは麻生首相が温室効果ガス排出削減に関する日本の中期目標の発表を行なうのを心待ちにしております。これは京都議定書に続く枠組みについて合意するための、今年末のコペンハーゲンにおける会議に備える上で、重要な要素となるものです。日本では熱心に協議が行なわれているところです。

諮問委員会は1990年比で25%減から4%増まで6つの案を作成しました。4%増の案は経団連が支持を表明しています。難しい決断と大幅な削減を行なう先進国に緊急に求められているものに対して、これが日本がとる信頼の置ける対応であると国際的に認められるとは私は思いません。経済同友会は7%減の案を支持していますが、これでさえ充分に野心的な目標という印象を私に与えるものではありません。日本のマスコミの論調は公平さ、ならびに今こそとるべきと言われている行動にかかるコストを日本が負担できるかどうかという点に焦点があてられています。しかし、行動が遅れれば、コストの問題はもっと悪化するでしょう。また、問題は公平さではなく、先進国がいかに国際的な責任を示して、途上国を交渉の場に連れてくるかという点なのです。

私は、今こそとるべき行動のコストだけではなく、その行動がもたらす利点についてさらに議論を重ねるよう、日本の産業界や政府の方々との会談の多くをこの問題に焦点をあてています。

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月曜日 11 5月, 2009

EUについて日本の若者たちに講演

先週の金曜日、私は埼玉県所沢市にある高校を訪問し、学生たちにEUについて話をしてきました。5月9日はヨーロッパ・デイで、東京にいるほとんどのEU諸国の大使たちが同じような学校訪問を行ないました。正直なところ、EUの歴史や、閣僚会議、欧州委員会、欧州議会の関係など、複雑な事情について30分間にわたって日本語で説明し、千人以上の16~18歳の学生の心をつかめると私は思っていませんでした。しかし、彼らは理解を示しただけでなく、「どうしてEUへの加盟を望まない国があるのですか、そしてそれは加盟国にとって心配事ですか?」「どうしてすべての国がユーロに属さないのですか?」「EUは現在の経済危機にどのように対応し、東欧や南欧の国々の国際収支の問題を解決するためにどのようなことを行なっているのですか?」などたくさんの質問をしました。ある学生は、「EUの和解の歴史から東アジアが学べるもの」について尋ねました。半世紀にわたる対立後の平和的なヨーロッパの創造や、多様性からの協調など、私が話そうと思った考えは、日本の若者たちと共鳴しました。

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木曜日 12 3月, 2009

生活とデザイン

大使館で催された盛大なイベントをもって、一年間に及んだ“UK-Japan 2008”が無事に終了しました。これは1868年の明治維新前に、日本が西洋に対して開国し、日英外交関係が樹立してから150年が経過したのを祝うために行なわれたキャンペーンでした。当初は100件ほどのイベントを予定してスタートしましたが、最終的には330件以上が開かれました。もちろん、その多くは文化的なもので、多くの人気を集めて大成功を収めました。主なものとしては、森美術館での「英国芸術の現在史:ターナー賞の歩み展」、ロンドン交響楽団の日本公演、「生活と芸術-アーツ&クラフツ展 ウィリアム・モリスから民芸まで」などがありました。しかし、科学、イノベーション、創造性などの面も強調され、「ダーウィン展」、英国人ノーベル賞受賞者による講演、前衛演劇、あらゆる芸術分野のコミュニティ・プロジェクトなどが行なわれました。

“UK-Japan 2008”には1000名近くのブロガーが参加し、一年間に約3000件の記事が寄せられました。各記事を約1000人が見ているといわれている(注)ので、閲覧者の総計は少なくとも百万人単位に達するものと思われます。閉会式の席上で、10名のトップ・ブロガーの方々が表彰されました。

また、各分野の優れた3つのプロジェクトに対する表彰も行なわれました。その一つが、コンテンポラリー・ダンスの分野で、私は閉会式において、日本コンテンポラリー・ダンス・ネットワークの代表の方と、セラピーとしてのダンス、そして障害者の方々との活動について非常に面白い話を伺いました。11年前に私が日本に赴任していた頃は、そのような交流はなかったと思います。「これこそ日本が変わりつつあるということの典型ではないか、多様化という面に向けた大きな感性ではないか」という意見を代表の方に伝えたところ、「その通りですが、まだまだ道半ばです」という答えが返ってきました。

言うまでもなく、デザインは創造性の主要な一面です。私が90年代に日本にいた頃よりも、もっと多くの英国人建築家やデザイナーが日本で活躍しています。しかし、「英国はビクトリア朝のテーマパークではなく、モダンな国なのです」というメッセージをどうしたら日本中に広めることができるのでしょうか?先週金曜日の午後にサー・テレンス・コンランが大使館を訪問し、日本のデザイン専門家たちを前にして、英国のデザインについて語りました。彼は英国貿易投資総省の新たなビジネス大使の一人です。ビジネス大使とは、英国をもっと全般的に紹介するために各地を訪れている実業家です。生活デザインに関する彼の50年以上に及ぶ経験を聞くことができて、非常に面白く思いました。もちろん、彼の話したテーマには経済危機や環境問題も含まれていました。人々は将来的にシンプルで、合理的で、整ったものを好むようになるだろうということです。凝った飾りを施したもの、バロック様式のもの、過度に装飾されているものは好まないのです。質素なものへの回帰でしょうか?それとも、量より質ということでしょうか?

(注) 情報ソース
東北大学大学院 准教授 澁谷 覚(2007)「ネット上の口コミ情報を解した消費者間の影響伝播のメカニズム」マーケティングジャーナル104日本マーケティング協会 および、イノベーションカレッジ2008「インターネット上の口コミとマーケティング」

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